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拉致問題の暖簾を掲げる政治家達(2

2009年9月16日

宇佐美 保

 先の拙文《拉致問題の暖簾を掲げる政治家達(1》にて、小池百合子氏の件も記述したいと思っていましたが、先の文があまり長くなりましたので、ここに改めて書かせて頂きたく存じます。

 

 なにしろ、今回の選挙における小池百合子氏の行動には呆れてしまいました。

 

前回の2005年衆院選で郵政国会で、郵政民営化法案に反対票を投じた小林興起の対立候補(いわゆる小泉氏の放った「刺客」)として東京10区に移り勝利した小池氏は、今回の選挙では、その小林氏が民主党に比例区候補として迎え入れられ、その小林氏の票が、民主党公認候補の江端貴子氏に流れ、(又、街で選挙民に小池氏が握手しているテレビの場面では、年配の女性から“あんた随分化粧が厚いのね”などと言われたりして)落選の危険ありと感じ、「幸福実現党」に応援を頼んだのでしょうから!

 

 そして、この選挙区で立候補を予定していた「幸福実現党」泉聡彦氏は、立候補を取りやめ小池氏の応援に回ったのです。

 

 その2人の選挙公示前日の、田口八重子さんが拉致された現場(小池氏曰く「拉致工作の拠点」)での街頭での演説(次に一部を書き取ってみました)が、You-Tubeに流されております。

 

 

小池百合子でございます。拉致問題、北朝鮮の送金問題に深く関わってきた一人です

わが国の国民が拉致されて、主権が侵されている、この拉致問題が余りにも埋没しているのではないか?

これからの外交安全保障にも関わる、この大きな問題をもっとクローズアップさせる必要がある。

この視点からこの場を設けさせてもらったとこでございます。

さて今、まさに田口八重子さんが拉致されたこの場からより真摯な対応をすべきだと大きく大きな声で私はここで申し上げたい

その中において、北朝鮮のミサイル問題、そして核実験の問題、日本の安全保障そのものが脅かされようとしているのに、その事について我々はもっと声を上げなければならない。

そういう中において、幸福実現党のまさに政策マンでいらっしゃいます泉さんはこの点についても、しっかりと皆様方に、政策を訴えてこられました。

私は北朝鮮に対してのミサイル問題、特に、拉致問題、この一点に焦点を当てまして泉さんとしっかりと協力をし、そして日本全国にこの拉致問題について、この総選挙でこそ、もっともっと訴えて、そして、わが国の辛の外交、そして、安全保障政策こそが今回の選挙の争点であると、この場をお借りしまして私は強く訴えてまいりたいと思います。

よって、この泉さんと言う北朝鮮のミサイル問題、そして、拉致問題に真剣に取り組み、そして、凄い政策をお持ちの幸福実現党の泉さんと、この拉致問題で協力し、そしてこの場からこれからも全国に向かって拉致問題の対応、一日も早い解決をお訴えしたいと思います。

 

 しかし、

「拉致問題に真摯に取り組んでいる」と言われる小池氏が「拉致工作の拠点」での演説を行いながら、
胸には「ブルーリボン」も付けておられませんし
小池氏ご自身のホームページ(活動記録)には、
817日(月)実践倫理早起き会、豊島シニアバレー大会、選対会議、社労士会政治連盟 励ます会」とは書かれて居ますが、
この記念すべき街頭演説の件を記述されていないのです。


 不思議ではありませんか!?

 

 それに、

小池氏のホームページに記載されている「基本理念」、
「小池百合子が目指す「日本」」などにも
拉致問題」の文言は見当たりません

 

 

 更に、小池氏は“私は北朝鮮に対してのミサイル問題、特に、拉致問題、この一点に焦点を当てまして泉さんとしっかりと協力をし”と訴えていますが、幸福実現党のホームページを訪ねますと、次のように書かれています。

 

 

北朝鮮や中国の脅威から国民を守ります。

1 北朝鮮・中国の軍事的脅威に対し「毅然たる国家」としての防衛体制を築きます。

 北朝鮮の核を排除するため、あらゆる努力を行います。

北朝鮮が核ミサイルを日本に撃ち込む姿勢を明確にした場合、自衛隊に即応態勢を命じ、正当防衛の範囲で、ミサイル基地を攻撃します。これは、北朝鮮に「悪」を許さず、圧政下の国民を解放するためです。経済大国にふさわしい防衛体制を築き、アジアの各国と協調して平和を保ちます。

 

■核ミサイル危機の際は、金正日総書記に対するピンポイント攻撃も検討します。

拉致問題で進展が見られない場合、北朝鮮に自衛隊レンジャー部隊を派遣し、金正日総書記を拘束し、日本に連行する「軍事演習」も、選択肢から排除しません

■日本の主要都市に核ミサイルを向けている中国に対しても、原子力潜水艦や人工衛星などから攻撃できる核抑止力を築きます。

……

 

 

 小池氏は“幸福実現党のまさに政策マンでいらっしゃいます泉さんはこの点についても、しっかりと皆様方に、政策を訴えてこられました”と訴えたからには、このような幸福実現党の政策に同調している事になります。

(なにしろ、泉氏を幸福実現党のまさに政策マンと紹介しているのですから)

このような政策によって、拉致問題が解決するのでしょうか!?
恐ろしい事です。
(私は、できる事なら野中広務氏にご助力をお願いしたい気持ちで一杯です)

 

 この調子では、小池氏は議員の座を得られるなら悪魔とでも手を結ぶのではないでしょうか!?

と申しますより、小池百合子氏は、“拉致問題、北朝鮮の送金問題に深く関わってきた一人です”と自己紹介しつつも、一体どんな行動を今までされてこられたのでしょうか!?

私には、小池氏は単に「拉致問題」の暖簾を掲げて(実際には行動せず)自己の政治生命を確保しているように思えてなりません。

 

 

 この件に関しては、私は、2003年10月16日に拙文《曽我ひとみさんをご家族のもとへ帰して(2)》の中で、「新拉致議連の副会長にも就任された」小池氏が、その役を放棄して小泉内閣(当時)の「環境大臣」ちゃっかりと納まった事実に関して、次のように記述しました。

 

 

 そこで、小池氏のホームページを見てみましたら、又又驚いてしまいました。

以下一部を抜粋させて頂きます。

 

……総理からの直接の電話は、大臣か、官房副長官の就任要請以外には考えられません。しかし、どの役所の大臣職か、尋ねるのを忘れたことに気付きました。あらためて官邸に連絡を入れようかとも考えましたが、みっともないと断念しました。……

 

 可笑しくはありませんか?

小池氏はテレビなどでは「自分の第一の政治課題は、拉致事件の解決」如き発言を繰り返しておられたし、ご自身は新拉致議連の副会長にも就任されたのではありませんか?

 

 だとしたら、「環境大臣」に収まるべきではないと思うのです。

ですから、総理からの直接の電話があった際は、「どの役所の大臣職か、尋ねる」べきだったのです。

そして、「外務大臣」以外だったら断るべきだったのです。

「環境大臣」を断り、せめて、「外務副大臣」就任でも依頼すべきだったのです。

それなのに、「あらためて官邸に連絡を入れようかとも考えましたが、みっともないと断念しました」とホームページに書かれる小池氏の無神経ぶりに呆れます。

みっともない」で済む話ではないのです。

 

 そして、更に、次のように、ルンルンした気持ちも書かれているのです。

 あれこれ考えるうちに、ドレスがないことに気付きました。夜中の三時に手配できるわけもなく、翌朝、東京に着いてからの作業となりました。結局、午後四時の時点で、ぎりぎり滑り込みセーフで間に合いました。……

 

 

 この小池百合子氏のように、「拉致問題」を標榜し続けるだけで、まるでゾンビのように、幸福実現党の応援を得て、比例復活してくるのでは、この世はどうなって行くのか!?

更には、拉致された方々、そして拉致家族の方々が御気の毒でなりません。

なにしろ、拉致家族の方々は、拉致された方々の開放帰国に関しては藁をも掴む思いなのでしょうから「拉致暖簾を掲げる政治家」にどんなに不満を持とうが、その不満を表明出来ないのでしょうから。

 

そこで、私は、小池氏や安倍氏のように「拉致問題を暖簾に掲げ、拉致問題の解決を口にはしても、行動を起さない政治家」に対して、このページにて不満の声を上げました。

 
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